• 上げろボルダリング力! 壁ナシで鍛える超実践的パフォーマンストレ
TRAINING
2019.10.06

上げろボルダリング力! 壁ナシで鍛える超実践的パフォーマンストレ

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ボルダリングの競技力が上がるってことは、すなわちカラダの全体的機能性が上がるということ。

ボルダリングは、全身を連動させてこそ。

ボルダリングに求められる動きは、ボルダリングをやりながらでないと鍛えられない。でも、ウォールに飛びつく前にやるべきことがある。

「大人には動作にクセがあり、動きに得手不得手があります。特定のスポーツ経験がある人はなおさら。その偏りが抜けないと、何にでも自分の得意な動きを無理に当てはめようとするため、課題を効率よく登れず落ちるリスクがあります」(パーソナルトレーナーの千葉啓史さん)

そこで欠かせないのは、どこからでもバランスよく動ける、角の取れた真ん丸い円みたいなカラダにリセットしておくこと。そのために千葉さんが教えてくれたのが、ここで紹介する4種目の基本トレである。

「陸上平面では重力と地面反力、水泳では浮力を利用しますが、平面より支持面が小さく狭いボルダリングで重要なのは張力。張力を使うには(1)肩甲骨から腕を動かす、(2)手と足の甲の安定、(3)骨盤(仙腸関節)の動きという3つを意識することが大切です。カラダは上も下も、左も右も、表も裏も、インナーもアウターもつながっている。全身を連動させて使い、重心の変化に従って力まず滑らかに動けるように整えましょう」

バランスボディをつくるトレーニング4種目!

ボルダリングのトレーニング

1. サイドロール

下半身と上半身に動きの時間差を作らない。アドバンストではハーフパイプを転がり続けるボールのような立体的な体重移動で動き続ける。セイタイで左右へ移動するトレーニングになる。

・初級

1/20
ボルダリングのトレーニング
両方の坐骨に均等に体重を乗せて坐る。股関節を十分に開いて左右の踵と小趾球を合わせる。両肘を伸ばし、左右の手の付け根を小指側から組み合わせる。
ボルダリングのトレーニング
しっかり組んだ手で両足の甲をすくい上げ、手のひらに乗せる。後ろに寄りかかる意識と背すじを伸ばそうとする意識を拮抗させる(張力感覚)。
ボルダリングのトレーニング
この基本姿勢を保ったまま、ゆっくりと左右に重心を移動させる。片側の坐骨に体重が100%乗った姿勢で2秒止まる。反対側にも同様に重心を移動させる。左右差を感じなくなるまで根気強く反復する。

・上級

1/20
ボルダリングのトレーニング
ベーシックと同じスタート姿勢を取る。
ボルダリングのトレーニング
腰の角度を保ち、胸を使って重心移動。
ボルダリングのトレーニング
ベーシックよりも可動域を広げて、肩⇒肩甲骨⇒背骨の順で床に転がる。逆の順序で起き上がる。左右交互に行う。

2. 二軸ローリング

ボルダリングでは、姿勢を固定するための固定軸に加えて、次のホールドを取りに行くための可動軸を同時にコントロールすることが求められる。この二軸ローリングは、固定軸と可動軸を切り替える感覚づくりに有効なトレーニングである。

1/20
ボルダリングのトレーニング
床で仰向けになり、両脚を骨盤幅より広く、両腕を肩幅より広く伸ばしてそれぞれ床から浮かせる。左腕と左脚を左側へ伸ばし、顔を左側に向ける予備動作を行う。右腕と右脚は上下に伸ばして固定軸を作る。
ボルダリングのトレーニング
首を右側へ捻るのに合わせ、左腕と左脚を右側へ伸ばしながら転がり始める。左腕と左脚の力を抜いて、反動や勢いをつけずにゆっくり行う。
ボルダリングのトレーニング
うつ伏せになったら軸を入れ替える。左腕と左脚を上下に伸ばして固定軸とし、右腕と右脚を可動軸にする。
ボルダリングのトレーニング
右腕と右脚の力を抜き、左側へ回す。
ボルダリングのトレーニング
仰向けになったら、左腕と左脚を固定軸にして、反対側への回転を同様に行う。

3. 張力ロールアップ&スタンドアップ

背骨をできるだけ長く保ったまま、脚と腕を反対方向に遠ざける意識を持ち、体幹にテンション(張力)をかける意識で動く。初級(ベーシック)から始め、楽にできるようになったら中級(インターミディエイト)⇒上級(アドバンスト)と進む。

・初級

1/20
ボルダリングのトレーニング
床で仰向けになり、両脚を骨盤幅よりやや広げる。両腕を肩幅より少し広めでバンザイして背骨を少し反らせる。
ボルダリングのトレーニング
目線と首の動きに合わせ、肩甲骨から腕を動かす。肩、肘、手首の余分な力を抜く。踵を骨盤からできるだけ遠ざける。
ボルダリングのトレーニング
息を吐きながら、坐骨の真上に頭を乗せるイメージで起き上がる。息を深く吸いながら、背骨を下から順に接地させてスタートに戻る。

・中級

1/20
ボルダリングのトレーニング
床で仰向けになり、両脚を骨盤幅よりやや広げる。両腕を肩幅より少し広めでバンザイして背骨を少し反らせる。
ボルダリングのトレーニング
ベーシックと同じように徐々に起き上がる。両脚をヘソから引き寄せるように両膝を曲げ、膝裏をできるだけ床面の近くで動かす。肩まわりの余計な力を抜き、頭の重さを感じながら行う。
ボルダリングのトレーニング
坐骨に体重が乗るタイミングと足裏が床面に触れるタイミングを合わせて上体を起こしたら、背骨を下から順に接地させてスタートに戻る。

・上級

1/20
ボルダリングのトレーニング
スタートの姿勢
ボルダリングのトレーニング
インターミディエイトと同じように膝を引き寄せながら上体を起こし、股関節を引き寄せて太腿を腹につける。手の甲を前方へ遠ざける意識に合わせて足首に荷重。
ボルダリングのトレーニング
骨盤を前傾させてお尻を上げる。直線的に起き上がろうとすると腰が力み、お尻が浮きにくくなる。お尻を床に戻したら、背骨を下から順に接地させながらスタートに戻る。体幹の張力を感じながら、呼吸に合わせてゆったり大きく動くこと。高い位置のフットホールドに乗り込む感覚が摑める。

4. パタンパタン

サイドロールが前額面(人体を前後で二分する垂直面)、ロールアップが矢状面(左右で二分する垂直面)、そしてパタンパタンが水平面(上下で二分する水平面)での重心コントロールの基本種目。骨盤・股関節、肩甲骨、目線、背骨の動きの協調性を高め、張力を利用した水平面での重心移動をマスター。

・初級

1/20
ボルダリングのトレーニング
床に坐り、両脚を左右に開いて両膝を立てる。両腕を前に伸ばし、指先から肩まで力を抜く。
ボルダリングのトレーニング
骨盤を回旋させたタイミングに合わせて下から順に貯め込んだエネルギーを解放。進行方向に手の甲を投げ出し、背骨はその動きを追って体幹を十分捻る。肩と手首の力を抜き、腕を胴体に巻きつける。脚から力を抜き、前脚の股関節は外旋、後ろ脚は内旋。体重の9割以上を前脚の股関節に乗せる。
ボルダリングのトレーニング
腕が再び胴体に巻きつくタイミングで反対側の股関節に重心を完全に移して戻る。左右を変えて同様に行う。

・上級

1/20
ボルダリングのトレーニング
床に坐り、両脚を左右に開いて両膝を立てる。両腕を前に伸ばし、指先から肩まで力を抜く。
ボルダリングのトレーニング
骨盤の前傾を保ち、背中を丸めない。これを左右交互に行う。
ボルダリングのトレーニング
ベーシックで両膝を床につけた姿勢から、骨盤と背骨を回しながら、両腕を振って後ろを振り返るように片膝を立てる。

取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 スタイリスト/齋藤良介 トレーニング監修/千葉啓史 参考資料/『運動脳をグングン鍛えるチバトレ』(千葉啓史著、晶文社刊)

(初出『Tarzan』No.772・2019年9月12日発売)

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