- 鍛える
こんなパンを待っていた! 豆でつくられたグルテンフリーの《ZENB ブレッド》
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ボルダリングの競技力が上がるってことは、すなわちカラダの全体的機能性が上がるということ。
ボルダリングに求められる動きは、ボルダリングをやりながらでないと鍛えられない。でも、ウォールに飛びつく前にやるべきことがある。
「大人には動作にクセがあり、動きに得手不得手があります。特定のスポーツ経験がある人はなおさら。その偏りが抜けないと、何にでも自分の得意な動きを無理に当てはめようとするため、課題を効率よく登れず落ちるリスクがあります」(パーソナルトレーナーの千葉啓史さん)
そこで欠かせないのは、どこからでもバランスよく動ける、角の取れた真ん丸い円みたいなカラダにリセットしておくこと。そのために千葉さんが教えてくれたのが、ここで紹介する4種目の基本トレである。
「陸上平面では重力と地面反力、水泳では浮力を利用しますが、平面より支持面が小さく狭いボルダリングで重要なのは張力。張力を使うには(1)肩甲骨から腕を動かす、(2)手と足の甲の安定、(3)骨盤(仙腸関節)の動きという3つを意識することが大切です。カラダは上も下も、左も右も、表も裏も、インナーもアウターもつながっている。全身を連動させて使い、重心の変化に従って力まず滑らかに動けるように整えましょう」
下半身と上半身に動きの時間差を作らない。アドバンストではハーフパイプを転がり続けるボールのような立体的な体重移動で動き続ける。セイタイで左右へ移動するトレーニングになる。
ボルダリングでは、姿勢を固定するための固定軸に加えて、次のホールドを取りに行くための可動軸を同時にコントロールすることが求められる。この二軸ローリングは、固定軸と可動軸を切り替える感覚づくりに有効なトレーニングである。
背骨をできるだけ長く保ったまま、脚と腕を反対方向に遠ざける意識を持ち、体幹にテンション(張力)をかける意識で動く。初級(ベーシック)から始め、楽にできるようになったら中級(インターミディエイト)⇒上級(アドバンスト)と進む。
サイドロールが前額面(人体を前後で二分する垂直面)、ロールアップが矢状面(左右で二分する垂直面)、そしてパタンパタンが水平面(上下で二分する水平面)での重心コントロールの基本種目。骨盤・股関節、肩甲骨、目線、背骨の動きの協調性を高め、張力を利用した水平面での重心移動をマスター。
取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 スタイリスト/齋藤良介 トレーニング監修/千葉啓史 参考資料/『運動脳をグングン鍛えるチバトレ』(千葉啓史著、晶文社刊)
(初出『Tarzan』No.772・2019年9月12日発売)