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多少不潔にした方が免疫は上げられる? 免疫の噂のウソ・ホントをチェック(8)

免疫のプロ、京都大学ウイルス・再生医科学研究所副所長の河本宏先生に教えてもらった免疫のこと。衛生環境に無頓着な方が免疫は鍛えられるのか?

Q8. 多少不潔にした方が免疫は上げられる?

A. 不潔な環境ではむしろ寿命は短くなる。

清潔な日本で育った人が、衛生環境が悪い国に旅すると、ウイルスに感染して下痢や発熱を起こしやすい。平気な顔で暮らしている現地の人を目の当たりにすると、無頓着な方が免疫は鍛えられて病原菌にも強くなるのかと思いたくなる。

日本人が長生きになった一因は、衛生環境が良くなって感染症が減ったから。この先もずっと日本で暮らすなら、あえて不潔な場所に身を置く必要はない。不潔な環境に慣れると日常的な下痢や発熱は減るかもしれないが、それ以外の深刻な感染症のリスクが高く、寿命が短くなってもおかしくない。

「マウスも、感染症のリスクがない清潔な環境下で育てた方が長生きする。不潔なところで漫然とウイルスに感染するのではなく、はしかや風疹といった感染すると重症化するものを選んでワクチンを打ち、免疫を作って備える作戦をとった方が合理的といえます」

PROFILE

河本宏(かわもと・ひろし)/1961年生まれ。京都大学医学部卒業。京都大学ウイルス・再生医科学研究所副所長血液細胞の分化過程を解明する傍ら、iPS細胞技術を用いた治療用再生T細胞の作製研究も進める。免疫学者ロックバンド〈Negative Selection〉リーダー。今回趣味のイラストで免疫を優しく解説。

取材・文/井上健二 イラストレーション/しりあがり寿 取材協力/河本 宏(京都大学ウイルス・再生医科学研究所副所長)

初出『Tarzan』No.778・2019年12月19日発売

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