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今日から実行! エキセントレは筋トレ界のコペルニクス的転回だ

筋トレといえばおなじみなのが「コンセン」(コンセントリック・トレーニング)。対して最小の努力で最大の効果が得られる「エキセン」(エキセントリック・トレーニング)中心のトレーニングを実践するために知っておきたい、6つの原則。

コンセン→エキセン→コンセン→エキセンと生真面目に繰り返していると、筋力を要するコンセンの局面で疲れてしまい、エキセンの十分な効果を引き出せなくなる。

なので、コンセンのフェーズをできるだけ省略してエキセンに全力を投入する。これはある意味、筋トレ界におけるコペルニクス的転回だ。

でも待てよ、エキセンって具体的にどういう動き?と、最初は混乱するかもしれない。まずは自体重ダンベルペアトレで、どんな動きがエキセンであるかを確認。さらに基本的ルールを頭に入れ、いざエキセンの世界へ!

原則1、回数

基本は10回×3セット。

通常の筋トレは10回×3セットが基本だが、エキセントレも同じ。もっとできそうだと思っても10回×3セットに集中しよう。1セットでは一部の筋線維しか動員されないので、3セット繰り返すことで筋線維全体に刺激を入れていく。

原則2、負荷設定

1RMの50%からスタート。

ダンベル、バーベル、マシンを使う場合、ぎりぎり1回上げられる負荷(1RM)の50%からスタートしよう。意欲を削ぐ筋肉痛が生じるのを避けるため、50%から始めて徐々に負荷を上げていき、最終的には80〜85%の負荷で10回×3セット行う。

原則3、秒数

エキセンは3〜5秒かけて。

カラダやモノを持ち上げるコンセンのフェーズは1秒で素早く行い、エキセンのフェーズは3〜5秒かけてじっくり行う。ゆっくり行う方が大きな筋力を発揮できて、しかも筋肉痛が生じにくい。エキセン時に声に出して5つ数えてもよし。

原則4、呼吸

吐いて下げて吸って上げる。

カラダやモノを地面から遠ざけるコンセン時に息を吐き、近づけるエキセン時に息を吸う。これが通常の筋トレの呼吸法。でも今回はその逆、コンセン時に息を吸い、エキセン時に息を吐く。ゆっくり行うエキセン時に息を吐いた方が自然だ。

原則5、頻度

週に2回で十分な効果が。

エキセンではコンセンより筋肉を合成するホルモンやその受け皿となるレセプターの量が多く発現する。その効果を最大限に生かすため、休息をしっかり取る。頻度は2〜3日の休息を入れて週に2回。これで十分な筋力アップが望める。

原則6、負荷アップ

「2 for 2」ルールに則って。

ウェイトを使ったトレーニングで、今日はいつもの回数より2レップ多くできた。これが2回続いたら、次のステップへ進んでよしという合図。人呼んで「2 for 2」ルール。5〜10%の割合で負荷を上げ、10回×3セットで再スタート。

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バーベルを押しつつ下げる

バーベルを下ろす動きがエキセン筋トレ
バーベルもやはり下ろす動きがエキセン。ベンチプレスなら肘を曲げつつ重さに耐えながら下げていく動き。コンセンで扱えるウェイトより重くする場合は、補助者が必要。

自体重では地面にカラダを下ろす

スクワットで膝を曲げて腰を落としていく動きがエキセン筋トレ
自体重トレの場合、負荷は己のカラダの重み。なので、地面に向かってその負荷を下ろしていくのがエキセンの動きとなる。スクワットなら膝を曲げて腰を落としていく動きだ。

マシンの負荷に負けていく動き

荷に耐えつつ、でも敢えて負けていく動きがエキセン筋トレ
マシントレでも理屈は同じ。負荷に耐えつつ、でも敢えて負けていく動きがエキセン。レッグエクステンションの場合、膝を伸ばした状態から膝を曲げて負荷を下ろす局面だ。

ダンベルを上から下に移動

ダンベルを持ち上げるのではなく下ろすのがエキセン筋トレ
ダンベルを持ち上げるのではなく下ろすのがエキセン。負荷に抵抗しつつ、やむなく下ろしていくイメージ。ワンハンドロウなら肘を伸ばしてダンベルを下ろす動作に集中。

徒手抵抗でもエキセンはできる

徒手抵抗でもエキセン筋トレは可能
徒手抵抗でもエキセンは可能。例えばラットプルダウンで引く動きの逆を行う。肘を曲げた状態で補助者に片手の肘と手首を引き上げてもらい、その力に抵抗しながら腕を上げる。

教えてくれた人

坂詰真二
坂詰真二/1966年、新潟県生まれ。スポーツ&サイエンス代表。NSCA認定ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト、同協会認定パーソナルトレーナー。横浜市立大学卒業。大手スポーツクラブを経て独立。アスリート指導、指導者育成、メディアを通じた運動指導を3本柱に据える。スポーツ・医療系専門学校の講師も務める。2017年に監修した『世界一やせるスクワット』がヒット。

取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 監修・取材協力/野坂和則(オーストラリア・エディスコーワン大学教授) トレーニング監修・指導/坂詰真二(スポーツ&サイエンス代表)

(初出『Tarzan』No.760・2019年3月7日発売)

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