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食べて痩せるを実現する5つの具体策

食べるからには守ってほしい、ダイエットの基本。実はごく簡単。管理栄養士で栄養学博士でもある奥村仙示先生に指南いただいた、「食べて痩せる」ための具体的な5つの考え方。

“食べて痩せる”を実現する5つの具体策

1. 食生活を振り返り、「減らす順番」を工夫する

成果を焦ると、ご飯を食べないとか、肉類などの動物性食品を口にしないといった大胆な行動に走りがち。でも、ご飯も肉類も貴重な栄養源だから、減らしすぎると栄養バランスが崩れて健康的に痩せられない。

まず手をつけたいのは、間食のポテチやチョコなどのお菓子、お酒とそのおつまみなど。これらは嗜好品であり、栄養素が乏しくてカロリーばかりが高いエンプティカロリー。減らしてもまったく問題ない。

次に減らすべきなのは、余分な脂質。揚げ物などから摂る調理油、挽き肉やバラ肉などの脂質過多の肉類は高カロリーだから極力減らそう。

「食材は揚げずに蒸す、焼く、茹でるで調理。肉類は低脂質な赤身を選ぶ。これだけでもかなりカロリーは抑えられます」(奥村先生)

2. 「自炊」なら痩せやすい

「自炊」なら痩せやすい

ハーバード大学の研究者が世界計10万人を約25年追跡調査した結果、料理している時間が長い国ほど肥満になりにくいとわかった。なぜか。

第一に外食では調理の内容がわからないので、カロリーを正確に把握するのが難しいが、食材を自ら用意して調理するとカロリーが正しく分かってコントロールしやすい。

次に外食はどうしても味付けが濃いめで箸が進みやすく、カロリーも多め。自炊なら薄味に仕上げて、カロリーも控えめにしやすい。

最後に案外見逃せないのが、調理にかかる手間暇。食材を買い集め、立ちっぱなしで調理するのは結構な運動。調理の運動負荷は安静時の2〜3倍でストレッチに匹敵する。運動だと思えば、自炊も苦でなくなるはず。自炊の機会を徐々に増やそう。

3. 筋肉量と代謝を守るため、「タンパク質」は十分摂る

減量中でも不足しないように心掛けたいのが、タンパク質。なぜなら筋肉を作ってくれるからだ。

カロリーを控えめにセーブすると、筋肉が分解されやすくなり、基礎代謝が落ちて痩せにくくなる。代謝の減少は、のちのリバウンドの引き金でもある。タンパク質が足りないと筋肉の分解に拍車がかかるから、ダイエット中はタンパク質はむしろ増量すべき。体重1kg当たり1.0〜1.2gを最低の目安としたい。

必要量を簡単に知るには、手ばかりが便利。男性の手のひら大の肉類か魚介類でだいたいタンパク質が20g摂れる。毎食ごとに手のひらサイズのタンパク源を主菜にすると、それ以外の食材に含まれる分と合わせて1食25g前後のタンパク質が摂れる。これで筋肉量を保つのに十分だ。

4. 「1日3食」がやはり正解

手っ取り早くカロリーを抑えるために、朝食抜きの1日2食を試みる人もいる。だが、朝食は必ず食べて1日3食のリズムを崩さないことが大切。朝食抜きで空腹の時間が長くなると、昼食後に血糖値が上がりやすくなり、太りやすいからだ。

「これは最初の食事(朝食)が2番目の食事(昼食)に影響を及ぼすことから、セカンドミールエフェクトと呼ばれます。血糖値が上がりすぎると、体脂肪の分解を抑えて合成を促すホルモン、インスリンが多く出やすいため、太りやすいのです」

朝食だけではない。昼食を抜くと夕飯時にセカンドミールエフェクトの罠にハマる。逆に野菜や未精製穀物など食物繊維が多いものから先に食べると、血糖値の急上昇とインスリン分泌が抑えられて痩せやすい。

5. 「小さな習慣」を作ろう

「小さな習慣」を作ろう

ローマもダイエットも一日にしてならず。習慣化して続けないと、期待した結果は得られない。「〜〜しなきゃ」といちいち思ううちは、まだまだ習慣になってない証拠だ。これまでの習慣を大きく変えるものは身につきにくいのが当たり前だから、気負わなくてもできる小さな“痩せグセ”をつけることから始めよう。

「飲み物は水かお茶などのノンカロリー飲料、ドレッシングはノンオイル、お酒好きは週2回の休肝日を作るといった、ちょっとしたマイルール作りから試みてください」

ランだっていきなり走り始めると挫折しやすいが、ウォーキングから入ると意外と続きやすいもの。ハードルを下げ、小さな成功体験を積み重ねてやる気を高めながら“痩せグセ”を増やして減量を達成しよう。

取材・文/井上健二 イラストレーション/西田真魚 取材協力/奥村仙示(徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床食管理学分野講師、管理栄養士、栄養学博士)

(初出『Tarzan』No.758・2019年2月7日発売)

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